というわけで、日付変わって昨日は八王子のいちょうホールで行われた大河原邦男対談講演会に行ってきました。
ゲストは出渕先生と急遽出演が決まった高橋良輔監督。
初めのうちは大河原先生の第一印象や初めて組んだ仕事というごく普通の内容。
良輔監督、先生のデザインによって「作品に柱が入った」そうです。
「作品世界におけるロボットの位置付け」を重視している監督にとって、先生のデザインは適しているとか。
ところが、お台場でがんばっている『もう一人の大監督(大河原先生・談)』の話題になってから、お三方のトークも乗ってきたようで、笑いも入るようになってきました。
その大監督について。
「『自分がやってきたことを壊したい。』でも中身は一緒。」
うわぁ、言っちゃったよ、出渕先生。
大河原先生も先月のサイン会とはうって変わって軽妙な語り口で、率先してネタを振っては笑いを誘っていました。
「ブッちゃんはスケジュールがあるうちは仕事しない」
「ガンダムは嫁に出した」
「version.Kaとか…」
「ガンタンクはこの程度でいいだろう」
時には
「アニメの殿堂を作る前にアニメーターの待遇を…」
なんて辛口な一言も。
そんな先生、去年あたりからアジアの方面にて講演していらっしゃるそうで、向こうでは種や種デスの人気からか、若い世代に評判だそうです。
かたや「去年、老眼デビューした」(^^;;出渕先生。
50になったとはいえ、大先輩の2人に囲まれて、終始いじられてました。
現在も独身でいらっしゃるわけで、大河原先生から「自由でうらやましい。」と言われ、
『楽しみを続けるためには身を固めてはいけないと…すいません、負け犬の遠吠えですね。』
と苦笑いしてました。
「ヤマトで(デザインに対しての)ハードルが上がった」
「作り手がこだわりを持つようになってきた結果、細分化・専門化していった」
などなど、冷静な分析もしつつ、際どい話もサラッと入れてましたが、
中でも、後進のメカデザイナーに触れた際におっしゃった
『なんでガンダムばかり描きたいの?』
これはある意味、深いです。
それが大河原先生のセールスポイントであります『引き出し』につながっていくのではないかと思います。
引き出しを持つ。
絵描きを名乗ってます自分も常にこうありたいです。
気が付いたら終了時間を11分オーバーしてましたが、正直「え、もうこんな時間?」と思うほどの濃密で楽しいトークでした。
個人的に最高な夏の締めくくりです。
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